宇都宮市教育委員会
宇都宮市教育委員会 インタビュー
実際の校務の流れに沿ったシステムで
運用もスムーズに
当初から市内の全小・中学校で統一された校務支援システムの導入を検討していた宇都宮市。時代の変化にスピーディーに対応するために、校務支援システムである〈スズキ校務シリーズ〉を選定。モデル校での先行運用、計画的な研修体制を経て、平成22年8月、待望の一括運用が実現した。
宇都宮市教育委員会
学校管理課
管理グループ
総括主査
大森 努
宇都宮市教育委員会
教育センター
情報・研修グループ
副主幹
指導主事
手塚 浩
宇都宮市教育委員会
学校管理課
管理グループ
係長
阿久津 元則
宇都宮市教育委員会
事務局
学校教育課
指導グループ
指導主事
金田 操
―――〈スズキ校務シリーズ〉導入に際して選定基準は?
大森 〈スズキ校務シリーズ〉導入にあたっては、まず小・中学校それぞれ1校ずつのモデル校を設定し、先行的に活用を試みました。
手塚 それまで、校務用PCは順次導入されていたものの、活用は汎用表計算ソフト等を使ってPCに堪能な先生を中心に各校それぞれに行われていました。
金田 そうした個人の先生の労力に頼ってしまうことや、このままの部分の情報化に対して、将来的な展望に不安を抱えていたのが実状でした。
阿久津 そこで、教育委員会としては、校務の将来像を見据えたトータルな情報化への方向を探りはじめたのです。
大森 そして、校長会議やワーキンググループの意見を参考に、市内すべての小・中学校で統一されたシステムを使用するのが良いだろうという結論に達しました。
手塚 選定に際しては、まず学校業務とその流れを熟知した校務専用のソフトであることが大前提でした。そして、パッケージ製品化されたものであれば、運用後も変化に対応したバージョンアップが見込めるし、独自開発を考えればコストや時間を大幅に節約できます。
大森 〈スズキ校務シリーズ〉はサポート体制も確立されている安心感もありました。今回は、メーカーと地元業者によるサポートによって、講習会から導入・運用に至るまでスムーズに行われましたね。
宇都宮市
「校務の情報化」の経過
当初から一括導入を視野に入れ、“校務の情報化”ワーキンググループにて検討が重ねられた。
選定・講習会の実施・導入まで計画的に実施されたことで、導入後の運用は実にスムーズに行われている。
平成18年度~19年度
職員室に1人1台のPCが整備
平成20年 7月
〈スズキ校務シリーズ〉選定
平成21年度
モデル校にて
〈スズキ校務シリーズ〉先行運用
宇都宮市立昭和小学校での取り組みの様子をレポート
平成22年 4月
〈スズキ校務シリーズ〉
採用決定
平成22年 6月
学校長対象
「校務の情報化説明会」開催
平成22年 7月・8月
情報担当者対象
「導入前講習会」を3度実施
各学校から情報担当者を集めての講習会の様子
平成22年 8月
市内全小・中学校に
〈スズキ校務シリーズ〉一括導入
平成22年 10月
前期通知票発行
―――市内小・中学校93校への一括導入にこだわった理由は?
手塚 校務処理を標準化することで先生方、全ての学校の負担感の軽減につながることを求めたのはもちろんですが、教員には異動があるので、どこでも戸惑うことなく、すぐ校務処理ができるようにすることが狙いでした。
大森 標準化を目指すことは、先々のことを考えると大きな土台づくりであったと感じます。時には柔軟に日々の校務の進め方を合わせていくことも必要なことでした。
金田 〈スズキ校務シリーズ〉の導入の機会に全校一斉、そして全校での業務において、トータルな“校務の情報化”への取り組みがはじまりました。
手塚 校務処理における世の中の流れは、間違いなくシステム化に動いています。そのタイミングに歩調があったことで学校からの理解も得やすかった。確実性のある発展を思い描くことができる時期と重なったことが大きな推進力となりました。
―――先生方を対象にした講習会の実施は?
大森 まず学校長を対象とした「校務の情報化説明会」を開催しました。その次に、システム稼働までの期間に各学校から1〜2名の情報担当者を集めて講習会を3度実施しました。そして、稼働後に地元サポート業者による校内講習会を全校で実施し、これによってすべての先生向けの講習が完了しました。
阿久津 メーカーのサポートと地元業者によるサポートによって、先生方に安心感を与えることができたと思っています。これによって〈スズキ校務シリーズ〉への理解が大いに促進された面はありますね。
―――〈スズキ校務シリーズ〉普及のためのアイデアは?
金田 『校務情報化ニュース』を発行しています。これは広報紙として位置付けられ、Q&A形式で疑問に答えるなど、“校務の情報化”のスムーズな推進を手助けするために発行されています。
手塚 疑問にスピーディーに答えることで活用は促進されますからね。こうした姿勢や取り組みも大切な活動であると思います。
―――実際に活用された先生からの声は?
大森 画面構成がわかりやすく直感的に操作できる点が好評です。『名簿情報管理』については、活用の幅が実に広く使い勝手が良く重宝されているようです。また、「通知票」の作成は、それまで発行していた形式と同じ仕上がりにすることができたため、違和感なく受け入れられました。その他、所見欄の記入作業が効率化されたり、他の先生の評価を参考にできるなど、概ね歓迎された評価をいただいていますね。
手塚 システムのわかりやすさという点は、各学校に好評です。誰でも使える親しみやすさが備わっていることで積極的に活用されている感がありますね。
金田 小学校では、特に「通知票」の発行において効率化が果たされ、校務が“進化した”という評価を得ています。これによって、校務処理の質を上げつつ、作業のスリム化に拍車がかかることが期待できますね。
阿久津 今後、データが蓄積されていくことで、さらに便利さが実感されるのではないでしょうか。校務の時間が軽減され、先生が子どもたちと向き合う時間を確保できることが、我々の願いですからね。
手塚 中学校では、3年間のデータが蓄積された時、より大きな成果が出るでしょうね。今回、市内で統一したシステムを導入しプラットフォームを共通化することができました。私どもは10年先を見据えているつもりです。このノウハウが蓄積され将来につながっていくことを楽しみにしています。
引き続き、平成21年度より、モニター校として〈スズキ校務シリーズ〉を先行運用されてきた、宇都宮市立昭和小学校様にお話を伺いました。