5年生 総合的な学習の時間 「中津川新聞をつくろう」
1 授業の説明
パソコンを使って、
初めての新聞作成。
5年生は、6月に長野県で実施した中津川野外学習の活動をまとめる授業である。
体験学習での楽しい思い出は子どもたちの中に残っている。そして、その思い出を伝えたいという気持ちを表現するメディアとして「新聞」が選択されていた。
しかも、今回の授業では、パソコンを使っての新聞作成である。戸田先生からは「読み手をひきつけるような新聞を」との言葉。子どもたちは戸田先生からの説明を真剣な眼差しで聞いていた。
2 キューブで新聞作成
友達同士で教えあい、
高め合う雰囲気がある。
そしていよいよ、〈キューブ〉での新聞作りが始まった。
この作業をスムーズに進めるため、事前に子どもたちによってテーマを決めた文章が作られ、体験学習の時のデジカメの写真は、戸田先生によってネットワーク上の共有フォルダ(キューブポケット)に既に準備されていた。
子どもたちは意欲的にパソコンに向かい、レイアウトを決め、写真を加工したりタイトルを飾るなどの作業を行っていく。
工夫していく中で、誰かが新しい写真やタイトルの見せ方を発見すると教室に驚きや喜びの声が上がる。教室には、共に教えあい、学び合っていく雰囲気が形づくられていた。
3 新聞の完成!
僕だけの新聞、ついに完成!
配色やレイアウトの工夫など、何度も試行錯誤できるのは、パソコンを使っ作業を行う一つのメリットである。
そして、個人個人のアイディアをカタチにしていき、新聞は仕上げられていった。
新聞がほぼ完成したところで、先生から新しい取り組みの説明が行われた。「みんなの作品を見て回り、チャット上に感想を書いてみよう。」というものだ。授業前の先生からは、「はじめての授業です。多分、軌道修正が必要になりますよ。」と予め聞かされていた。
4 相互評価~相手を意識すること
それぞれの評価のコトバ、
みんな、どう感じたかな?
子どもたちの感想が書き込まれていく。互いに評価し合い、秩序ある感想が書き込まれていく。
「○○君の新聞は色がとても見やすい」「○○さんの新聞は気持ちが伝わってくる文章でした」等々。
しかし、無意味なコメントや、度を超えた書き込みが入ってしまう。それは戸田先生も予め想定しており、すかさず一時中断し、軌道修正を図った。
「ネットも社会も現実の世界なんだよ。一度書いたコトバは消せないんだよ。」と諭す戸田先生。教室は静けさに包まれた。
「作品を作って終わりではなく、子どもたちには常に社会との関連を学び、日々の生活との関連付けも含めて、学んでもらいたいと考えています。」と戸田先生はねらいを明かしてくれた。
愛知教育大学 准教授
博士(工学)
野崎 浩成 先生
C o m m e n t
“機能的学習環境”を
創出した学びが大切です。
今回の実践は、“機能的学習環境”の創出が大きなテーマです。“機能的学習環境”とは、学習者にとって“学び”が、どのように役に立つのかが見えてくるような学習環境のことで、名刺づくりはビジネスシーンを、新聞づくりは新聞記者を子どもたちにイメージさせることができます。
そして、新聞づくりでは、従来型の教科教育では得られないような知的好奇心を満足させる学習が行われ、なぜ、わかりやすい文章を書かないといけないのかという学習や、文脈・目的意識を明確にすることの大切さを学ばせています。 また、子どもたちは、新聞記者になるためには、国語や社会、図工、情報といった勉強した内容が役に立つということを認識することになります。
学校は社会(職業)とつながっています。コミュニケーション力や情報の収集・取捨選択、分析・整理する力、情報を発信する力などの情報活用の実践力を身につけることが、小・中学校では大切です。
P O I N T !
〈キューブ〉の新しいツール
「新聞作成」
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〈キューブきっず3〉から新たに追加された「新聞作成」は、子どもたちの学習のまとめに最適なツールです。簡単に、そして自由に記事や見出しを配置することができます。 画像配置による文書の回り込みや、段組構成の変更もOK。簡単操作で子どもたちの創意工夫、情報活用を支援します。 |