授業実践リポート ICT活用&情報教育

静岡県 浜松市立中郡小学校

第22回キューブ活用コンテストグランプリ受賞校

先生方のモチベーションを大切に

学校全体で活用を進める

指導された先生

佐々木 亮 先生、中西 優人 先生、澤木 佳世 先生、原田 あい子 先生、梶村 健祐 先生、小池 栄里 先生、今村 繁希 先生、河村 誠 先生、川合 君菜 先生、浅野 慶太郎 先生、木村 敦子 先生、鈴木 誉士 先生 他

活動した児童

4年生、5年生、6年生、たんぽぽ組、ひまわり組のみなさん

活動の時間

総合的な学習の時間、国語、生活単元学習、社会、学級活動

使用ソフトウェア


プレゼン、新聞、リーフレット、カードづくり、時間割づくり

〈キューブきっずシリーズ〉活用事例

第22回 キューブ活用コンテスト受賞結果 はこちら

2020/07掲載
※記載の情報は取材時のものです。

応募用紙は11枚と突出した枚数!

 今回グランプリを受賞したのは静岡県浜松市にある中郡小学校だ。4年生から6年 情報活用能力の育成生、特別支援学級など、たくさんの子どもたちと先生方がコンテストに参加した。応募作品の総数は500作品以上、使用されたアプリケーションも多岐にわたる。学校全体で取り組み、様々な場面でキューブシリーズを活用していることが評価され、グランプリに輝いた。
 今回3回目の参加となる情報担当の佐々木先生は、「ここ2年で<キューブきっず>の活用が着実に広がってきた成果だと思っています」と話す。

作品ピックアップ

  • 4年生 国語「 アップとルーズで伝える」

  • 5年生 国語「本を紹介しよう」

  • 特別支援学級 生活単元学習「浜松市リーフレット」

  • 5年生 学級活動「係カードを作ろう」

  • 5年生 国語「提案書を書こう」

  • 6年生 総合的な学習の時間「修学旅行の思い出をまとめよう」

授業を一番に考え、授業づくりを楽しむ空気

校長 森本 清吾 先生

 校長の森本先生は、中郡小学校には授業を大切にしていこうというモチベーションの高さがあると話す。担任ではなく専任の教員が授業を行う、「高学年における教科担任制」や、放課後の時間を生み出せる「午前5時間制」を行い、授業力の向上に成果を上げている。
 また、若手もベテランも、先生方には新しいことにチャレンジしていこうという気持ちがあり、授業づくりを楽しむ空気があるという。「そのひとつがICT活用であり、活用するための環境を整えてくれているのが、情報担当とICT支援員です」と労う。その両輪によりICT活用の成果が出て、良さを実感し、その実感が次のチャレンジへとつながる好循環を作り出しているのだと感じている。

継続的な活用による情報活用能力の育成

3年生 国語「すがたを変える大豆」

4年生 総合的な学習の時間「ユニバーサルデザイン」

 今回4作品を応募してくれた4年生は、3年時から継続的な活用をしてきたという。ローマ字を学習する3年時には<キューブワード>などで基礎的なキーボード入力スキルを習得し、4年時にはグループでプレゼン資料を作成した。継続的に活用することで、習得したスキルが他の学習場面で生きるという実感を得るとともに、成果物の出来栄えの変化に自分自身の成長を感じることができている。
家庭で褒めてもらえることも、子どもたちの自信につながっているそうだ。
 また、日常的な活用を積み重ねた結果、高学年の子どもたちは情報手段を自ら選択できるようになってきたという。6年生が下級生に向けて発表を行う場面では、ポスターやプレゼン、リーフレットなど、幅広い表現方法を用い、中には低学年にもわかりやすく伝えようと劇を行うグループもあったそうだ。そして劇グループの「臨場感」を感じ取ったプレゼングループは、動画を挿入するなどの工夫で対抗したという。多様な情報手段を用いて学び合うことが、情報活用能力を高めることにつながっている。

6年生 総合的な学習の時間「BE A HERO ~正しいことはかっこいい~」

情報担当のリーダーシップ

情報担当 佐々木 亮 先生

左上:ICT通信
右下:事例集(ICT支援員が作成)

 佐々木先生は、先生方の授業づくりに対する高いモチベーションを下げないように意識している。
 はじめのうちはタブレットに親しむことを目的に実技教科の手本や確認に使ったり、生活科での見学にカメラを活用するところから始めた。機器に触れるのが日常的になると、総合的な学習の時間を中心に、収集した情報をまとめる場面でもアプリケーションを活用するようになった。学校の実情に合わせてできるところから始めたことで、自然と活用する場面が増えていったという。
 さらに、効果的だった使い方を「ICT通信」や「活用事例集」として誰でも見られる形で発信し、より良い授業づくりを後押しした。

共に授業づくりをするICT支援員の存在

ICT支援員予約ホワイトボード

ICTを使った授業を紹介する掲示板

 活用を広めるにあたって、週に1回来校しているICT支援員の存在も欠かせない。まずは大型提示装置や実物投影機など、教員が提示するためにICTを活用する場面で支援に入ってもらうことから始めた。また、「いつICT支援員がいるのかわからない」という声から、予約ホワイトボードを設置。ICT支援員との連携が格段に取りやすくなった。同時に他の教員がどのような活用をしているのかも見えるようになり、相談がしやすくなったという。その結果、ICT機器に苦手意識を持った教員にも活用を広めることができた。

 「子どもたちが楽しそうに学ぶ姿が見られること、先生方自身が楽しんで授業づくりをするということが、モチベーション高く活用を続けることにつながっています」と佐々木先生。決して押しつけにならないように、2年間で積み重ねて来た先生方のモチベーションを生かす形で、今後もサポートをしていきたいという。

<キューブきっず>を活用した ご感想を伺いました!

原田 あい子 先生

特別支援学級 生活単元学習「カード作り」

特別支援学級には、消しゴムで消すという行為に苦手意識を感じる子もいます。手先が器用でなかったり、きれいに消せないことを大きなストレスに感じたりするからです。その点をICTがカバーしてくれました。また、キューブのイラスト素材があることで、視覚的に完成した作品をイメージしやすくなったことも、学習のモチベーションにつながったと感じています。

澤木 佳世 先生

6年生 国語「たのしみは」

ICT支援員と相談し、<リーフレット>の入力枠の配置等を変更し、短歌の学習で使えるテンプレートを作成しました。一度つくったものは次の学年でも使うことができ、同じ教科の先生に引き継ぐこともできます。たとえ口頭でコミュニケーションをとれないくらい忙しいときでも、フォルダを探せば情報が共有できるため、授業準備が楽になりました。

梶村 健祐 先生

4年生 総合的な学習の時間「新聞作り」

新聞をつくる単元では、社会科担当の先生と連携し、工場見学で学んだことを新聞にまとめました。見学で複数の先生が撮影したデータは同じポケット内に蓄積し子どもたちが選べるようにしました。出来上がった新聞の内容を子どもたち同士で指摘し合う時も、同じソフト・テンプレートで作成しているからこそ、お互いに見落としていたポイントを発見しやすいです。

情報担当 中西 優人 先生

教育用統合ソフトは各アプリケーションの操作性が統一されているため、どれかひとつ使い方を覚えればどんどん使えるというメリットがあります。また、パソコン室で子どもがどの席に座ったとしてもいつも同じ環境でログインでき、ポケット機能※からファイルの展開・保存が容易です。一般的なソフトと比べると、教育用に配慮された部分に使いやすさを感じています。ひとつひとつは小さなことですが、使い慣れていない先生にとっては、小さなつまずきを少なくすることが必要だと思います。

※6年間のデータを管理できる<キューブきっず>専用の保存フォルダ。データ保存時には自動的に保存先・ファイル名が設定される

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