授業実践リポート ICT活用&情報教育

滋賀県 草津市立草津小学校

校務支援システムで実現する負担感・

多忙感の解消

 草津市立草津小学校での校務支援システム

 〈スズキ校務シリーズ〉の活用

2015/01掲載

中川広紀先生にお話を伺いました。

 琵琶湖の東方に位置し、本年9月に創立142年を迎えた滋賀県草津市立草津小学校。校務支援システム<スズキ校務シリーズ>は、導入して4年目になる同校において今では校務処理になくてはならないものになっている。
 導入段階からかかわってこられた同校教諭の中川広紀先生に、〈スズキ校務シリーズ〉の導入段階から現在に至るまでの活用の工夫やポイントについてお話を伺った。

煩雑を極めていたシステム導入以前の校務処理

 以前の状況は、各担任の先生が通信票、成績処理、出席簿、指導要録を手書きや表計算ソフトを使って、自分のやり方で処理していました。例えば、通信票などは、学年、組、出席番号を手書きし、氏名欄には氏名印を押していましたし、教科の評価も、一覧表を見ながら一項目ずつABCのハンコを押していました。どうしても転記ミスが起こるため、教務主任や管理職が二重にチェックし、もし間違いが見つかれば、またやり直さなければなりませんでした。手書きや膨大なハンコ押し、チェックなど、神経をすり減らしながら、大変な手間と時間をかけてやっていたという状況でした。
 また、表計算ソフトに詳しい先生に、マクロ機能を使った通信票作成のシステムを作っていただきましたが、変更などはその先生にしかできないものでした。異動などでその先生がいなくなれば誰も使えなくなってしまいますし、データ漏洩や誤操作による削除などセキュリティにも不安があります。そこで、校務支援システム〈スズキ校務シリーズ〉の導入を検討することにいたしました。

始めは、名簿作成からスタートし便利さを実感してもらう

 〈スズキ校務シリーズ〉の導入にあたり、平成23年度開始と同時に運用できるように、春休み期間中に研修会を実施しました。年度スタートと同時に導入できたこともあって、先生方の戸惑いはほとんどありませんでした。
 先生方には、先ず『名簿情報管理』で名簿の作成から体験していただきました。児童名と必要な情報を入力すると、例えば委員会やクラブ活動など学年をまたぐ名簿などもすぐにできるので「便利ですね」「これは使える」と、たいへん好評でした。最初から通信票ではなく、名簿から入ったことで活用のハードルが一気に下がったと思います。現在ではさらに進んで、特別支援教育を行う上で重要となる「個別支援計画」も〈スズキ校務シリーズ〉で作成しています。
 逆に『小学校成績処理』を使うかどうかは、各先生に任せました。というのも、成績処理については、先生独自のノウハウでつけられることも多いので、無理に足並み揃えて、とはしませんでした。しかし、使ってみた先生方からは、〈スズキ校務シリーズ〉に入力しておけば、データがすべて集約されるので「簡単」「使いやすい」という声があがってきました。「校務支援システムを使う」ということは、今まで自分がやってきたことの「リプレース」です。今までやってきたことに比べて、「こちらを使う方が便利」と思ってもらえればスムーズに移行します。

システムの導入により生まれた時間と心のゆとり

 昨年、〈スズキ校務シリーズ〉の活用状況アンケートをとりましたが、9割近くの先生が校務の負担感・多忙感が「解消された」と感じていらっしゃいます。先生方の意見にも「仕事の効率は格段に上がる」とか「普段から子どもの日々の様子を書きこんでおくと、成績の作成で活用できた」などがあり、評価が非常に高いのが分かります。
 〈スズキ校務シリーズ〉導入以前、通信票作成の時期には、夜遅くまで学校に残って校務処理をしていた先生もいらっしゃいましたが、導入後、校務処理が効率化することによって、超過勤務の縮減が大幅に図られています。ほとんどの先生が、通信票作成日のだいぶ前には実質的にできあがっていて、あとは最低限必要な見直しをすれば、印刷ボタンを押すだけという状況です。成績処理や通信票作成の時期でも、時間にも心にもゆとりを持って子どもたちの見取りや保護者との懇談等の対応が可能になっています。
 〈スズキ校務シリーズ〉は、導入4年目の今では、先生方にあたりまえのように使っていただいています。新しく転任されてきた先生に対しては、1時間ほど使い方の説明をしていますが、それ以降は、もしわからなかったら隣りの先生に聞くなど、先生の間で教え合いがなされています。ある特定の先生が、すべて知っていないとできない、ということがなく、誰もが普通にあたりまえのように使える、ということでは大変助かっています。

校務支援システムの有用性を発揮するには、「日常的に評価する」という意識改革が必要

今では、あたりまえのこととして校務支援システムを使っている。

 校務支援システムを導入したら、「学期末に処理をする」ではなく「日常的に子どもの評価を校務支援システムに蓄積していく」という意識を持つことが必要だと思います。そうでないと、せっかくの校務支援システムが、通信票を作成するためだけのソフトで終わってしまいます。その意味で、先生方が入力した全てのデータ・情報をデータベースに蓄積し、一元管理できる校務支援システムこそ必要だと思います。〈スズキ校務シリーズ〉は、大切な児童の個人情報のデータを暗号化し、安易に持ち出せない仕組みになっているので、汎用の表計算ソフトやワープロソフトなどで作ったデータに比べ、「つい、うっかり」の情報漏洩を未然に防ぐことができ、セキュリティ面でも大変安心して使っています。
 今後は、〈スズキ校務シリーズ〉搭載の『日々の様子』や『生徒指導』を、もっと積極的に活用し、子どもたちの見取りの記録をさらに充実させたいと思っています。子どもの様子を、担任以外の先生でも入力することにより、みんなで情報共有できます。それにより、情報共有のために集まる時間が最低限で済み、校務の効率化と時間の有効活用が図れます。そうすれば、今以上に子どもとの関わりが増え、教師として最も大切にしたい授業に、集中できると思います。

草津市立草津小学校「ひとくちメモ」

市役所に隣接する市の中心部に位置し、周囲には寺や草津宿本陣など歴史的建造物が多くみられる草津小学校。開校は明治6年(1873年)。玄関には、開校時の名称「知新学校」の額が掲げられており、その歴史の重みが感じ取れる。

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