“校務の情報化”推進リポート

School Now

熊本県 山江村立山田小学校

 

第3回 校務支援システムによる通知表コンテスト

   最優秀賞受賞校レポート

 

2015/01掲載

校舎正面には高々と教育目標が掲げられている。

 校務情報化支援検討会主催「第3回校務支援システムによる通知表コンテスト」。
 最優秀賞を受賞された山江村立山田小学校を訪問し、通知表の工夫や校務支援システムを活用した通知表づくりについて、校長藤本誠一先生にお話を伺いました。

校長 藤本 誠一 先生

●校務情報化支援検討会|第3回校務支援システムによる通知表コンテスト

子どもたちの成長がつまった『温かい通知表』を目指して

受賞のポイント!

校訓・教育目標の入った表紙。学校経営ビジョンが伝わりやすい。

余ったポケットには、担任の裁量で子どもたちの成長の記録を入れる。

裏表紙に通知表の見方を記載。保護者に分かりやすく見てもらうための配慮が伺える。

学年ごとにファイルの色を変えて違いを出し、管理しやすくしている。

第3回通知表コンテスト最優秀賞受賞、おめでとうございます。通知表の特長、こだわったところを教えてください。
藤本  まず、通知表の表紙に子どもの写真をいれたところです。写真は1年生から6年生まで進級時の顔写真をいれますので、その年の成長を感じることができ、子どもたちの良い思い出になります。
 また、保護者の方が通知表を見る時の観点を示した「あゆみの見方」をいれました。通知表は、◎や○が多い少ないということで捉えがちですが、それはあくまでその子の学習や生活の一面です。そこで、通知表の見方を掲載し、より分かりやすく、安心して見ていただけるようにしました。
 それから、1年間分の通知表をクリアファイルに入れるようにしています。もらった賞状やスポーツテストの結果などもファイルのポケットに収め、長い目で子どもの成長を見られるものにしています。学年ごとにファイルの色も変えてありますので、何年生とすぐにわかるようになっています。
 その他、表紙に校舎の写真をカラーで載せて特色をだしたり、子どもの写真を載せて『温かい通知表』にしようと工夫しました。

保護者の方や子どもたちの反応はどうですか?
藤本  子どもたちは、通知表に自分の顔写真が載っていることが、とてもうれしいようです。他のだれのものでもない『自分の通知表』という意識が生まれるからだと思います。
 保護者の方からも「子どもの成長が、ひとつにまとめられているので良くわかります」と好評です。また、従来の通知表は、どこかにまぎれてしまう場合もあったようですが、この「あゆみ」は、「クリアファイルに収められているので、保存しやすい」という声もいただきました。

校務支援システムで通知表作成を行うことに対して先生方はいかがでしょうか?
藤本  手書きの時は、総合的な学習、外国語活動、所見など間違いのないように記入するのが大変でした。校務支援システムを使えば、早くて正確なので「このシステムがない学校には、異動したくない」と言う先生もいるほどです。
 それから、子どもの写真を見ながら入力できる、というのもとても大きいことですね。子どもの写真を見ながら「この子は、あの時こんなことをしたな」とひとりひとりの子どもの姿を思い浮かべながら、心を込めて作成できるのがとても良いところです。

出欠席状況がすぐに把握でき、すばやい対応ができる

校務支援システムを使う効果についてはいかがでしょうか?
藤本  子どもたちの良い点を、すべての先生が入力できる、例えば「○○君は何月何日の掃除をとても丁寧にやっていた」などと記録できます。今まででしたら、担任の主観的な評価がすべてでしたが、この機能を活用することで、すべての先生方の情報の蓄積で通知表を作成できる点がとても良いですね。
 また、朝9時頃には出欠席状況が把握できます。だれが休んでいるのか一覧表でわかるので、心配な子どもに対して即座に対応ができます。そのため本校では、不登校の子どもは一人もいません。
 校務支援システムを使うことにより、これまで以上に授業準備などに時間を充てることができるようになりました。また、保護者にも見やすく、子どもの学校生活や学習の様子を、より詳しく伝えることができるようになりましたので、学校側の思いが強く伝わるのではないかと思っています。

 

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