授業実践リポート ICT活用&情報教育

東京都 北区立赤羽台西小学校

子どもたちは、キューブを活用して、

人に伝える方法を学んでいる

 キューブは協働的な学びを高めるためのツール

活用のポイント

1.キューブ活用で学習の楽しさを実感

2.東京都北区教育委員会研究指定を受けて

3.作品づくり、成果発表などでキューブを活用

4.繰り返し、重ねていくことに意味がある

〈キューブきっずシリーズ〉活用事例

2014/01掲載

5年生担任の関根愛弓先生にお話を伺いました。

 平成25年度に東京都北区教育委員会研究指定の最終年度を迎えた赤羽台西小学校では、全学年・全クラスによる発表を控えて公開授業の構想がまとまりつつあった。5年生の担任である関根愛弓先生も、発表者のひとり。これまでの取り組みと公開授業のポイントを伺った。

キューブ活用で学習の楽しさを実感

段は4段を基本にして、写真と見出しを必ずいれる。
自分の考えもいれる。これが決めごとで、後は自由に作らせた。なかには、友だちにアンケートをとって、それをグラフにして新聞に貼り付ける子も。

 「子どもたちは楽しかったみたいですよ。」と切り出す関根愛弓先生。それは、宿泊学習のまとめを〈新聞制作〉で行った子どもたちの感想である。並べられた作品からは、子どもたちがどれだけ熱心に取り組んだかが伝わってくる。
 「〈新聞制作〉の操作説明を行ったのは、実質1時間足らず。その後の4時間の授業で、子どもたちはこの新聞を仕上げてしまいました。文字入力もすべて自分の力で行い、友達からアンケートをとってそれをグラフ化して貼り込んだりというように、とにかく熱心に作業していましたね。」と子どもたちの様子を振り返る関根先生。新聞内には、感想もしっかりと書かれ、写真・原稿・図表などが盛り込まれたカラフルな仕上がりになっている。
 「あまり細かな指示は出していないんです。下書きもなく、見出しだけを決めた後に、直接画面と向き合ったのですが、子どもたちは自分達で考えていろいろと工夫していました。編集している場面を授業参観の日にあてたのですが、保護者も子どもたちの姿を見て、その姿勢に少なからず驚いていました。」というほど、子どもたちには伝えたい何かがあふれていたようだ。

東京都北区教育委員会研究指定を受けて

野間 俊彦 校長先生

 今年度、同校は東京都北区教育委員会研究指定の最終年を迎え、12月に公開授業を実施する。全学年・全クラスによる発表は、学校の熱心な姿勢を反映している。研究主題は、『協働的な学びを高める学習環境デザインの創造 ~ICTの活用を通して~』となっている。「難しいテーマかもしれません。」と野間俊彦校長先生。
 「先生達は、お互いに情報交換して授業事例をつくり出し、それをアレンジして自分の授業に活かすなど、柔軟で積極的な取り組みが見られました。職員室の雰囲気は、発表に向けて充実しています。キューブは、その中でもよく活用されているツールです。子どもたちの学習が進展しているのは、キューブの優れた操作性によるところも大きいと思いますね。」
 フューチャースクールのような未来を見据えた授業とは異なり、ここでの研究は、すぐに明日からはじめられる取り組みに絞られ、非常に現実的である。中でも、インターネット上の無料のコミュニケーションアプリやビデオ通信アプリなど、一般社会で使われているアプリを積極的に活用している点は興味深い。

作品づくり、成果発表などでキューブを活用

宿泊学習のまとめを記事にした力作。廊下に掲示した。

このような学習が苦手な子で、最初「いやだ。」と言っていたが、ここまでがんばって仕上げた。

 今年度、同校に赴任した関根先生は、早い段階からキューブを学習活動に活用してきた。
 まず、1学期の宿泊学習の前に、訪れる地の情報について〈キューブプレゼン〉で子どもたちに発表の機会をつくっている。そして、宿泊学習を終えた直後に、今度は〈新聞制作〉でまとめを行った。
 そして2学期は、公開授業に向けて〈ニュース制作〉を活用して『新1年生に学校を紹介するVTRをつくろう』という学習に取り組んでいる。子どもたちは、NHK(日本放送協会)のスタジオに行き、放送体験ブースで本物に触れている。その経験を〈ニュース制作〉に活かし、充実した作品を仕上げることが予想される。公開授業のタイトルは、『こちらAKN(赤羽台西)37放送局』。子どもたちの意気込みと遊び心が伝わってくる。
 さらに、12月には、お米づくりの学習のまとめ活動として、再び〈新聞制作〉を活用する予定。「これは、総合と社会を組み合わせた学習です。1年間育てたお米を炊いておにぎりを作り、食べる。それをキューブでまとめるのですが、実は今からとても楽しみなんです。2度目の活用になるわけですが、子どもたちがどれだけ成長しているかを確認したいですね。」

繰り返し、重ねていくことに意味がある

関根 愛弓 教諭

 「情報機器は便利なもの。それは、繰り返し重ねて活用していくことで、より理解が深まると思います。今年度、〈プレゼン〉で発表を行い、〈新聞制作〉でまとめを経験し、〈ニュース制作〉でつくる楽しさを学び、そして1年の集大成として、経験値を活かして〈新聞制作〉に取り組む。コンピュータっておもしろいだけじゃないんだよ。活用することで、もっと便利なことに気づいてほしいんです。今、子どもたちは、人にわかるように何かをまとめる作業について、その方法・手段・意味が分かりつつあるのだと思います。そこでは、情報の取捨選択が必要であることに少しずつ気づいてくる。こうした学習活動を重ねていくことで、人に伝える方法を学んでほしいと願っています。キューブは、そうした学習を簡単に手助けしてくれるツールとして、非常に優れていると感じますね。」

ソフトの操作性がいいから、学習が進む

野間 俊彦 校長

 「キューブは、子どもたちに気づきを与え刺激を提供するソフト。伝える力を身につけるために様々な工夫が施されているから、子どもたちがひとりでどんどん使いこなしているのだと思います。子どもたちの学ぶ姿勢をサポートしたり、意欲を高めるソフトは、本校の研究主題『協働的な学びを高める学習環境デザインの創造 ~ICTの活用を通して~』に必要不可欠な存在です。」

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