校庭の楓の木。秋にはきれいに色づく
「校務情報化支援検討会」主催の「第2回校務支援システムによる通知表コンテスト」。
最優秀賞を受賞された柳川市立豊原小学校を訪問し、通知表の工夫や校務支援システムを活用した通知表づくりについて、校長の新谷裕幸先生、主幹教諭の江頭彰子先生にお話を伺いました。
校長 新谷裕幸 先生
主幹教諭 江頭彰子 先生
第2回通知表コンテスト最優秀賞受賞、おめでとうございます。
こちらの学校の通知表の特長、こだわったところを教えてください。
江頭 本校の通知表は、子どもの成長が1年間を通して見とれるようにしています。また、表紙には、各クラスの写真を使用して独自色をだしたり、修了証書には、子どもの写真を載せて「自分だけのもの」という特色を出しました。最終的には、これは自分の通知表、1年間の成長の跡が見える通知表だと感じとってほしいということで工夫しています。中のレイアウトも、本校では成長の跡が分かるように、いただいた賞状などを全部差し込めるようにしています。
新谷 学校経営上、「個を大事にしている」という点を出したい、というのが私の願いです。また、各学期を見開き2ページ構成にして、見やすいようにしました。それとあたたかみを出すように、所見などの記述部分をできるだけ豊富に書き込めるようにしました。
今年は、みごと最優秀賞を受賞されましたが、昨年に比べ改良された点はどこでしょうか。
新谷 教育目標を記した「学校リーフレット」をいれました。学校経営を可視化することで、保護者の方に、本校の目指す姿を理解していただき、「私は、こういうところでお手伝いできるかな。」と"学校応援隊"になってもらいたいと思っています。
江頭 通知表の最後には、「自分のページ」を設けました。ここは、1年間を通して、がんばったこととか、思い出になるようなものを入れるページです。自分だけの通知表なんだと思いが高まりますし、その時その時の自分を残してほしいと思っています。
受賞のポイント!
見開きで1学期分の記録が確認できる
学校リーフレットで学校の目指す姿を伝える
健康診断結果や賞状もファイルに入れる
家庭で作る「自分だけのページ」を準備
新しい「通知表」に対する、保護者の方や子どもたちの反応はどうですか?
江頭 子どもたちは、賞状が1枚あるだけでとても喜びます。保護者の方からは、子どもの足跡が見られるし、大事にとっておけると、とても好評です。
新谷 子どもにとっても保護者にとっても、成長をきちんと学校が残してくれている、という気持ちで持って帰り、持って来る、というやりとりが信頼感のもとでやられています。大切な財産だということを、保護者も子どもも感じてくれて、とても大切に扱ってくれています。
校務支援システムで通知表作成を行うことに対して先生方の反応はどうですか?
江頭 効率化が図られた分、子どもたちと関わる時間を増やすことができています。あと、校務支援システムを活用することで、評価基準がより明確になりました。明確な評価基準があってこそ、保護者からの信頼もあると思っています。それから、賞状などもレイアウトが作ってあるので、とても簡単に作成でき、皆さんこぞって活用しています。
新谷 先生方が変わられたと思うのは、今日の評価を今日のうちに完結して帰られる、ということです。テスト結果を、その日のうちに入力することにより「今の成績の状況はどうかな。」とか非常にこまめに見守るようになりました。それと、過去の履歴をパソコンで見られるので、学級担任が変わったときでも過去の通知表や指導要録などを即座に確認でき、とても便利です。
校務支援システムで通知表作成を行うことに対するメリット、効果はどうですか?
新谷 市内で様式を統一したので市内間で転校があっても、前の学校の通知表が無駄にならない。継続して通知表を作っていけることです。これは、学校経営上、非常に助かっていると実感しています。それから、指導要録への反映を考えた通知表にしたので、通知表の評価を指導要録に読み込める。これは、たいへん助かりました。
江頭 指導要録は、今まで手書きしたり、ハンコをうったり、3日も4日もかかっていました。それが今では1日で終わるので、次年度の準備のために時間を有効に活用することができ、先生方の春休みの過ごし方が大きく変わりました。初任者の先生は、手書きの経験がないので、もし校務支援システムがない学校に行ったら、あなた大変よって言ってるぐらいです。(笑)
新谷 手書きの通知表を作成している時間は、指導ができなかったけれど、入力さえしてあれば印刷して授業に行ける。非常に授業に集中できます。児童の立場にたてる先生方が多いというのが大きなメリットです。