【活用アプリ】
iPad用学習支援ツール
『QBプレゼン』
『QBプレゼン』はシンプルかつ直感的な操作でプレゼンストーリーを作成することができるアプリです。
iPadで撮影した写真を並べるだけで、簡単にプレゼンストーリーを作成することができ、1時間の授業の中で発表まで行うことができます。
中野区と学区域を接する落ち着いた住宅街にある、東京都練馬区立中村西小学校。保護者や地域の人たちの輪(和)の中で、練馬区のICT推進校としての研究をはじめ、様々な取り組みを行い、子どもたちの学校や地域への愛着を育てる教育を目指している。
校庭の木々に美しい花が咲き始めた3月15日にiPadを使った理科の授業が行われた。
「むらさきにおう むさし野の」と校歌に謳われているように、武蔵野の面影が残る校門から玄関への道。
今回のポイント
●先生方の準備の負担、子どもたちの操作の迷い。ICT活用のそんなハードルをらくらく解消!
●子どもたちが自分でストーリーをたて、考えをまとめる。
簡単アプリで何度でも練り直し、よりよいプレゼンに!
iPadの取り扱いの注意点も子どもたちに考えさせる。子どもたちから「遊ばない」「勝手にさわらない」などの意見がでる。
2人1組になってお互いに撮影。初めて触るのにほとんど戸惑うこともなく、基本の操作を習得していく。
「みんながもっと賢くなるように、今日の授業では、新しい道具を使いたいと思います。何だと思う?」4年2組の担任 曾我泉先生は、勿体ぶりながらiPadを子どもたちに見せる。
「わー」と歓声があがる。子どもたちはすぐにそれがiPadと気付いたようだ。その時の様子は「みんなのヒーローが本当に教室にやってきたような。」(福田校長)そんな驚きである。
iPadは全部で15台用意され、2人に1台の割合で配布された。
初めに、2人1組になって写真の撮り方を学ぶ。お互いに隣の人を交代で撮り、基本の操作を習得していく。初めて触るのにほとんど戸惑うこともない。
まず今日の学習について、曾我先生は「先生が見つけたものを発表します。」と花壇に咲くムスカリの写真を2枚見せる。子どもたちは、事前に国語の授業でアップとルーズについて指導を受けているので、すぐに効果的な写真の撮り方を理解した。
思い思いの春を探して撮影開始!
校庭の池に見つけたカエルの卵を撮影。
アップとルーズを意識して撮影。
校庭に咲く満開のアンズの花を撮影。
教室に戻って、プレゼン作成!
2人で相談しあいながら写真をならべていく。ほとんど操作に戸惑わない。
早くもプレゼン完成!早速練習です
プレゼンができあがったら発表の練習。お互いに練習を行ったら、別のグループの子に聞いてもらい、修正を加え練り上げていく。
いよいよみんなの前で発表!
発表の時に指で文字を書いたり、注目してもらいたい所にマーキングする等、見せ方にも工夫が見られる。
子どもたちは2人1組でiPadを使って写真を撮る。事前に何の写真を撮るか話し合いがされていたので、15分ほどの時間で十分である。花壇の花を撮るグループ、美しい花が咲くアンズの木を撮るグループ、池の中に見つけたカエルの卵を撮るグループ、思い思いの春を見つけて撮影した。デジカメと比べても画面が大きく鮮明なのでとても使いやすそうである。
2人で話し合いながら場所と種類がわかるようにアップとルーズを意識して撮影を完了した。
今日の発表は、初めて使うiPad用プレゼンソフト『QBプレゼン』を使う。まず先生が使い方を見せる。説明には、iPadにつないだプロジェクターで画面を映し、実物投影機で『QBプレゼン』の操作を映した。そうすることによって、手元の操作と画面を同時に確認でき、iPad特有の操作と『QBプレゼン』の操作が良くわかる。
大型画面2台で、iPadの手元操作と画面を同時に見せる。
そうすることでiPadの操作と画面を同時に確認できる。
2人で相談しながら、撮った写真の中から思い思いの春の生き物の様子をプレゼンにしていく。初めて使う『QBプレゼン』であるが、シンプルで直感的に操作ができるので、ほとんど戸惑うこともないようだ。
プレゼンが完成すると、お互いに発表の練習を行った。その後、別のグループに出向き、プレゼンを聞いてもらう。他のグループに対して発表を行うことで、不足している情報や分かりづらい表現に気づくことができる。このような使い方ができるのも機動性に優れた、iPadならではの使い方である。
本番では、練習の効果で1~2分にまとめて伝えることができている。グループによっては、発表中にスライド上に字を書いたり、注目してもらいたいところをマーキングするなど、見せたいところをはっきりと表現する工夫がされている。
「わー」と歓声をあげて、今日初めてiPadを迎えた子どもたち。この授業が終わる時には、わかりやすく相手に伝えるプレゼンの極意を習得したようだ。ICTの活用は、パソコンが好きな先生がする。子どもたちに操作方法を教えなくてはいけない。こんな考えを覆す簡単なICT活用がここにあった。
「ちょっとやってみよう」の風土がICTの積極的な活用に。
福田 純子 校長
新しいICT機器が入った時に、先生方は積極的に利用されている様子ですね。
ものが入っただけでは教員は動かないし、いっときに説明されても頭に入ってきません。小さな発見があったことを広めるとか自分が発見したことを聞いてもらうなどの共有の場を設けています。そういう積み重ねでiPadなどタブレットPCが入った時にも、「ちょっとやってみよう。」という声があちこちからあがるのじゃないかと思います。
おもしろがるとか楽しいよという、そういう風土があるかないかで発展していくのかそうでないのかということが決まるような気がします。
ICTの活用が根付いているようですね。
先進的なICTの開発校になろうというのではなく、その時代に合わせた誰もができる活用を目指しています。実物投影機にしろiPadにしろ、ICTの特別なエキスパートがいるわけではなく、最初から自分たちの必需品であったかのように活用する、それが大事なことだと思っています。
曾我 泉 教諭
初めてiPadを使った授業はどうでしたか?
iPadは画面が大きく鮮明で、普通のデジカメよりとても使いやすかったです。『QBプレゼン』も従来使っていたプレゼンソフトよりとても簡単でした。子どもたちも5分くらいの説明で早速作成にとりかかりました。
子どもたちの感想はいかがでしょうか?
やはり操作がとても簡単なことを喜んでいました。「短時間ですぐにでき、友だちに説明しやすかった。」「発表のとき、矢印とか書き込みもできたので、自分が見せたいところをはっきりと表すことができた。」など、思い通りのプレゼンができたようです。
その後のiPadの活用状況はいかがでしょうか?
他のクラスの先生が体育で使ったり、昨年度の5年のクラスでは学校の写真を使って「学校を紹介しよう」とか「ショートストーリーをつくろう」などの作品作りをしました。私も継続観察ができる理科の単元とか社会の発表でも使いたいと思っています。
iPadなどのタブレットPCの授業での可能性について、どのようにお考えになりますか?
持ち運べて、操作が楽。簡単に写真が撮れる。子どもたちが自分の考えをまとめたり、資料を活用する道具として活用の場面は至るところにあると思います。まだLANにつながっていないのですが、つながれば調べ学習などにどんどん使っていけるでしょうね。