インタビュー&コラム

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鹿児島県 鹿児島市立山下小学校

伝統とICTを両立

校務負担感の軽減を実感!

教務主任 中原 雅弘 先生

情報担当 清藤 大嗣 先生

2017/07掲載
※記載の情報は取材当時(平成28年度2月)のものです。

導入アプリケーション

山下小学校の取組

平成21年度

文部科学省「電子黒板を活用した教育に関する調査研究」モデル校

平成22年度

鹿児島市教育委員会「ICT機器活用モデル校」

平成24年度より

校務支援システム〈スズキ校務シリーズ〉運用開始

 鹿児島市立山下小学校は、様々な研究のモデル校としてICT機器を活用した授業に熱心に取り組まれている。そんな山下小学校は、市内で最も早く校務支援システムを導入した学校でもある。そこで、導入当初から山下小学校に勤務されている教務主任の中原雅弘先生、情報担当の清藤大嗣先生に導入のご感想と運用のポイントについてお話を伺った。

教室からの情報入力でスピーディな情報共有が可能に

情報担当 清藤 大嗣 先生

〈スズキ校務〉出欠状況の確認画面

-校務支援システムを導入されて、これまでと変わったことはありましたか。
清藤先生 一つは出席簿です。本校では、校務支援システム導入以前からすべての仕事を教室で行う習慣になっています。無線LANと校務支援システムが合わせて導入されたことで、自分の校務用PCを使って、教室から子どもたちの出欠席情報の入力ができるようになりました。一校時の休みまでに情報を入力するようにしているので、その頃には管理職の先生も養護教諭も、児童の出欠席情報を一瞬で手元の校務用PCから把握できるようになります。これまでのような紙の健康観察簿を回収しての集計作業は手間がかかる上、集めた情報をすぐに共有できる場が ありませんでしたが、校務支援システム導入後は、 一つのソフトの中で入力・集計から共有まで行える ので、とても便利になりました。

教員のプレッシャーが軽減され、より思いのこもった通知表に

レイアウトを自由に編集できるので、電子化しても学校の特色を大切にした通知表を作成できる

-通知表の作成に関しては、いかがでしょうか。
清藤先生 通知表作成は、校務支援システム導入の効果をかなり実感しているところです。これまで、ゴム印や手書きで記入していた通知表が電子化されたことにより、学期末の事務作業の負担が軽減されたと感じています。
 本校の通知表は、学期ごとに印刷し、台紙に貼り付けています。通知表自体の再印刷が可能なので、間違えてはならないというプレッシャーも少なくなりました。何よりきれいな状態で子どもや保護者に渡せるのが嬉しいです。

指導要録作成までの電子化で「年度末」の負担感の軽減を実感

-鹿児島市では、今年度(平成28年度)、指導要録の作成まで電子化されると伺いましたが、先生方の反応はいかがでしょうか。
中原先生 校内でも、以前から「指導要録がデータ化できるといいね」と話が出ていたので、今回電子化されることになって先生方も喜んでいます。市内の先生方は、指導要録への転記の作業がなくなることで、負担感の軽減をより一層感じられることと思います。

校務支援システム導入により、転記作業がなくなり、ミスを防ぐことにつながった

「パソコンに詳しくなる必要はない」初めてでも使いやすいシステム

一覧表形式はもちろん、写真入りの学生証や、賞状のテンプレートも用意され、レイアウトを変更することもできる

-校務支援システムを使われた先生方のご感想はいかがでしたでしょうか。
清藤先生 導入された当初こそ、戸惑いはありましたが、今ではどんな先生でも抵抗なく使っています。転任してきた先生には、名簿の登録の仕方や、出欠席の入力方法といった基本的な使い方の説明を行いますが、それ以降は使いながら段々と慣れていきます。使い方に関しての質問はそれほど多くないです。それだけ校務の流れに沿っていて、使いやすいということだと思います。

―とくにご活用いただいている機能はありますか。
清藤先生 先生方の活用度が高いのは、〈スズキ校務〉の「名簿情報管理」の機能です。学校においては、クラスや町内会など、実に様々な種類の「名簿」が必要になります。これを汎用的な表計算ソフトで作ることもできますが、パソコンにある程度詳しい先生でなければ、調整が難しい部分もあります。「名簿情報管理」には、あらかじめ様々な「名簿」のテンプレートが入っているため、誰でも簡単に印刷して使えます。このことが、活用度が高い理由のひとつになっていると思います。

机の上にファイルもPCもない… これが「職員室」!?

 「職員室」というと、机の上にファイルや資料が並んでいる様子や、校務用PCが置かれている様子を想像するのが一般的だろう。ところが、山下小学校の「職員室」は、机の上に何も載っていない。「職員室」は主に会議用に使用するという。先生方の「仕事場」はあくまで子どもとともに学ぶ「教室」だ。

無線LANが整備されているので、LANケーブルも不要だ

校訓の「負けるな・うそを言うな・弱い者をいじめるな」は薩摩に昔から伝わる教え

校長 緒方 玲子 先生
子どもたちの気質について、「非常に素直で、明るく、元気です。朝早くから学校へ来て、元気に遊んでいます」と語る

鹿児島市立山下小学校 「ひとくちメモ」

鹿児島の風土・歴史を感じながら学ぶ

 山下小学校の校区である加治屋町は、かつて明治維新の中心となった西郷隆盛や大久保利通といった偉人たちを多く輩出した地である。山下小学校では、彼らをしのんだ行事が数多く行われる。
 また、20kmもある道のりを歩く妙円寺遠行や、鹿児島市内の中心に位置する城山の1.2kmの坂を駆けて競う「城山登山競走大会」といった足腰を鍛える活動も特徴的だ。
 さらに、山下小学校は作家・向田邦子が2年間を過ごした学校でもある。向田氏のような優れた文章を書けるようになってほしいという思いから、毎月、子どもたちの日記等から優れた作品を選出し表彰している。
 昭和59年より、鹿児島県総合教育センターとの研究提携校となり、毎年、11月に公開研究会を行っている。古き良き伝統を守りながら、これからの社会を生きる力を子どもたちに育成するべく、先生方は日々指導や研究に取り組まれている。

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