インタビュー&コラム

Column

林典子先生

静岡県内公立小中学校で養護教諭を長年勤められ、名古屋学芸大学を経て現職。

元気度アップ大作戦 前編
子どもたちの心身の健康問題を
発達段階に応じて理解させる保健指導


東海学園大学 客員教授 全国養護教諭連絡協議会顧問
林 典子

(2013/3掲載)

複雑化・深刻化する子どもたちの心身の健康問題

 子どもたちの心身の健康問題は、多岐にわたるとともに複雑化、深刻化しているのが現状です。一方、子どもたちはテレビなどの情報から、心身の健康に関するおおまかな知識を得ています。しかし、その知識が正しいものかというと必ずしもそうではないのです。テレビなどの情報は対象者が一般社会人であり、子ども用にはなっていないことから、情報の全てを理解しているのでなく、ある部分を聞きかじっているのです。このことから、発達段階に応じた情報を子どもたちに理解させることが重要です。
 また、心身の健康問題に関する知識理解がされても、得た知識を自分に当てはめ、行動するスキルを身につけさせる指導が求められています。

家庭との連携が必要な生活指導

 生活習慣の問題は、家庭との連携が必要であることから、親子を対象に、次にご紹介するような生活指導を行いました。
 子どもの実態をしっかりアセスメントして、「指導」という介入により、健康生活の行動変容につなげていくことが保健指導の真の目的と考えます。

STEP1

私たちの生活は、昼と夜があり、おおむね決められた生活リズムがあることを理解させる。

STEP2

「朝起きられない」というけんちゃん の問題をみんなで考えさせる。

STEP3

けんちゃんの問題を解決する方法を 意志決定スキルプログラムを活用し て考えさせる。

STEP4

自分の問題を解決するために、どんな作戦を立てるか、立て方を理解させる。

STEP5

自分の解決する方法を3つ考え、やれそうなものを一つ選択して行動目標を決める。

STEP6

決めた目標を、まず1週間実行させるために、がんばりカ-ドにチェックさせる。

活用したソフト

STEP6 スズキ教育ソフト
保健指導用提示ソフト「まかせて!健康教育 生活習慣編」

JKYBライフスキル教育研究会※
意志決定スキルプログラム

※ JKYB(Japan Know Your Body)ライフスキル教育研究会
青少年のセルフエスティーム(健全な自尊心)や目標設定スキル、意志決定スキル、ストレスマネジメント、コミュニケーションスキルなどの一般的・基礎的な心理社会的能力(ライフスキル)の形成を図ることによって、青少年の健全な発達を促し、喫煙・飲酒・薬物乱用を始めとする危険行動を防止することを目的として1988年に発足した研究グループ。
URL》http://www5c.biglobe.ne.jp/~jkyb/

スズキ教育ソフト