わが校自慢

Jiman

映画「火垂るの墓」「人間失格」のロケ地
品格ある校舎で、子どもたちは豊かな心を育んでいる

兵庫県 西脇市立西脇小学校

 全国の学校の「自慢の校舎」、「自慢の授業」、「自慢のクラブ活動」など…。
そんなわが校の自慢をレポートする新コーナー、第1回目は兵庫県西脇市立西脇小学校をご紹介。
 西脇小学校は昭和12年に建てられた校舎が自慢のポイント。
今も実際に教室として使用されており、兵庫県の景観条例に基づき、景観形成重要建造物に指定されてます。

2013/03掲載

時空を超えて呼吸する校舎



四季折々で美しい姿を見せる
西脇小学校

その造形美で映画・テレビに登場!

校舎

ぬくもりのある木の廊下

 2008年に公開された「火垂るの墓」。そして2010年に公開された「人間失格」。このふたつの映画のロケ地として、西脇小学校は使用されている。映画の時代設定に丁度フィットしたロケーションだったようで、作品のクオリティアップに大きく貢献している。映画に登場するシーンと実際の校舎を比べると、古びた時計やガラス窓への目張り、廊下に飾られた習字などの演出効果によって、見事に当時の様子が再現されているのがわかる。  また、西脇小学校は、映画の他にNHKテレビ「美の壷」でも紹介されるなど、その造形美にも注目が集まっている。

コンクールでも活躍するオーケストラ部

校舎

オーケストラ部
MBSオーケストラコンクールで18回最優秀賞を受賞。昨年から地域に向けて「ハッピースマイルコンサート」を独自に開催。


校舎

校長 森本寿文先生

校舎

教頭 藤原昌先生

 若い頃にも同校に勤務していたという森本寿文校長先生は、「かつては、1,000人規模の学校で活気がありました。現在の児童数は500人を下回りましたが、この価値ある校舎で学ぶことを通じて豊かな人間性を育んでほしいと願っています。」と、日々子どもたちを見守っている。そして、「子どもたちは、校舎に負けないくらい立派です。」と話す理由のひとつは、同校のオーケストラ部。小学校のオーケストラは比較的珍しく、関西ではあまり見かけない。90名以上のメンバーで構成されるこのオーケストラは、4年生以上が入部でき、毎日放課後5時までの練習をはじめ、"朝練"や夏休み期間も練習が行われる。  「楽器が得意な子どもだけで構成されているわけではありません。『やってみたい』という子どもすべてを受け入れています。上級生が下級生に教え、少しずつ成長していく姿は、微笑ましく、また、たくましさを感じます。彼らは、この学校の機関車的存在なんです。オーケストラ部で築いた力を学校の別の場面で発揮してくれますね。」と話す森本校長。長い期間、オーケストラ部の顧問を務めていた藤原昌教頭先生も、「オーケストラ部は、この学校の誇りです。保護者や地域からも愛される存在であることがうれしいですね。」とオーケストラ部が周囲に活気を与えていることを実感している。  その存在価値を主張する校舎と、それに負けず劣らずたくましく豊かな人間性を育む子どもたち。日々目に触れるすべてのモノやコトの中にこそ、本当の学びの場が存在するのかもしれない。
●映画「火垂るの墓」ロケ風景
校舎 校舎

右の写真は校長室をロケに使用。
窓ガラスには空襲に備えて紙が貼られ、戦時中の様子を再現している。

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